2008年10月24日金曜日

コーヒーでも飲めばいいさ

mixiニュースでだが
こんな記事があった

/*青字は抜粋して引用しているだけなので,読み飛ばし可.*/

ちょっと抜粋


「珈琲一杯の薬理学」の著者で、東京薬科大学の岡希太郎名誉教授に聞いた。

「国内外のさまざまな研究から、コーヒーに2型糖尿病の予防効果があるのは間違いありません。日本人男性で1日5杯以上コーヒーを飲む人は、まったく飲まない人に比べ糖尿病リスクが4割低下するという統計もあります」

 そのメカニズムはハッキリしていないが、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が糖分の吸収を遅らせるからだといわれている。実際、これと同じ作用の糖尿病薬があり、糖尿病患者に人気だという。

「ただコーヒーは深く焙煎すると、クロロゲン酸が分解する。糖尿病が気になる人は、浅煎りのコーヒーがお勧めです」

 C型肝炎のウイルスに感染した人も、コーヒーは飲んだ方がいい。

「毎日5杯以上コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて肝がんの発症リスクが4分の1に減るという統計があります。肝がんの原因の多くはC型肝炎ウイルスの感染です。大阪府立大の研究からも、コーヒーは抗C型肝炎ウイルス作用があり、C型肝炎から肝がんになるのを防いでいると考えられています」

 コーヒーはパーキンソン病にも効果があるという。

「パーキンソン病は主に50歳以上で発症する脳神経の病気です。治療にはドーパミンと呼ばれる神経伝達物質を補い、脳内神経を修復する薬が使われます。コーヒーはこの薬が代謝されるのをとどめる働きがある。パーキンソン病の薬と一緒に飲むといいでしょう


んで,


「飲み方次第で薬にも毒にもなる」のは心臓疾患のある人だ。

「コーヒーは心不全、狭心症、不整脈にいいといわれますが、効果があるのは1日1~3杯。それ以上は逆に心臓病のリスクを高めるようです」

 コーヒーは胃酸の分泌を促す。胃酸が少ない人には薬になるが、多い人には逆効果で“毒”になりかねない。


まとめると
一日五杯以上飲む人は飲まない人に比べて:C型肝炎からの肝がんの予防,糖尿病リスクが4割低下
一日1~3杯飲む:心不全、狭心症、不整脈にいい
一日1~3杯以上飲む:心臓病のリスクを高める

心臓病になるか糖尿やC型肝炎からの肝がんの予防をするか….
なんだ,この究極の選択.

なんで,一日五杯以上飲むか全く飲まないかだけの比較しか載せていないんだろう?

統計って切り方を恣意的にすると何でも通るから,嫌だねって話.
科学ってなんだ?

“心不全、狭心症、不整脈にいい”って書いてて,
どう“いい”のか載せてない時点で,
しょうもない記事だってことはわかるんですけどね.
“いい”ってなんだよ,“いい”って.

科学者の風上にも置けねーふてぇー野郎だなぁ.
伝える方にも問題がありそうな気はするけれどもね.

大体,いい点と悪い点の分量の差がね.
コーヒー健康法でも流行らせようって気かね.

まぁ,それとmixiのこのニュースにからんでるコメントが
“コーヒー飲んでる俺ってかっこいい”みたいなのばっかりで
ちゃんと読んでんのかよ…と思った.

まぁ,別にどうでもいいけど
科学ってなんだろう?
科学立国って何をどうするんだろう
っては思った.
虚無感つうか悲壮感つうかを感じつつ….

記事は斜め読みなんで,読み違いや間違いはごめんなさい.

2008年10月20日月曜日

容疑者xの献身

を見てきた.

映画ね.
いや,面白いわ.
東野圭吾はいいねぇ~.

映画自体が久し振り.以前見た“相棒”いらいですな.

テレビドラマの映画版って作り方じゃなくてかなりよかった.
何せテレビドラマの方は見てませんから.

最初のあれは燃えないだろとは思った.

ただ,かなりよろしかった.

以下ネタばれあり
















最後のあの報われなさがたまらない.
なんなんだろう.

そして,堤真一がよろしすぎる.
泣くところなんか,はじめて泣く人の泣き方だったもん.
なんか,堤さんのための映画だった.

それと,学者っていいなと思った.
ああいう友人って大事だね.
たぶんきっと,オレたちの飲み会も
あんな感じなのかもね.

あとは,P≠NPを解こうとしたりリーマン予想を解こうとしたり
小ネタがそそった.
四色問題って,高校生でも知ってないかい?
とき方は知らないにしても….

なんにせよ,いい映画だった.
今年はいい映画に当たる確率が結構いいですな.

祖母について

10/12に祖母が亡くなった.
享年83

体調を崩して入院中だったが,まだまだ元気だという話だった.
ちょうど三連休ということもあり
妻と二人で,祖母のお見舞いに行った.
結婚式に来たがっていたが,体調が思わしくなく結局,式には来れなかった.
と言っても,式のぎりぎり前も出席できるかもしれないというような体調だった.
移動が大変だろうということで式には来れなかった.

結婚式の写真も一部出来上がっていたので,それも持ってお見舞いに行った.

父から聞かされた話だと,お見舞いに行く前日
父が手の爪を切ってあげて,次に足の爪を切ろうとしたら
父をけって“お前には切らせない”と言って母を呼ぶように言ったそうだ
相変わらずプライド高く,元気だったそうだ.
そんな話をお見舞い前日の夜にしていた.

面会開始が午後一時からということで,病院へ移動していたら
電話があった.
体調が思わしくないので来てくれということだった.
移動中で今向かっているということを話したら,あっさりと電話は切られた.

病院に着くと,祖母の入院している四人部屋に向かった.
でも,そこに祖母の姿も祖母のベットもなかった.
体調が悪くなったので,個室か人数の少ない部屋に移されたのかと思った.
看護婦さんに聞いてみると
処置室に案内された.

処置室には,点滴と酸素吸入器が取り付けられた祖母が横になっていた.

ちょうど十分ほど前に息を引き取ったと説明された.

処置室に着いたのが12時半の少し前だった.
12時くらいに脈拍が弱くなり,12時20分に息を引き取ったそうだ.

間に合わなかった.
一人で逝かせてしまった.
一人はどんな気持だったのかと考えたら,涙が出た.
たくさんの“たられば”が出てきて,涙が止まらなかった.

駐車場に車を止めた父が後から来るので,
祖母の病室だった部屋の前で待っていた.

処置室の前には,シーツなどを入れておく籠が並んでいた.
祖母は,そんな部屋で亡くなったのかと考えると悔しかった.

死に場所を選べるのは贅沢なことだと思う.
それでも,そんな所で死なせるほど祖母の人生は安くない.

祖母は,看護婦をしていた.
普通の病院勤めの看護婦とは違い日赤の看護婦で,とてもすごい事らしい.
どのように凄いのかはよく分からない.
ただ,普通の人では成れないものらしい.
勉強ができる人で,仏壇から出てきた通知表には“甲”の文字しかなかった.

祖母には,海軍に行った兄がおり,その人から学費を出してもらい勉強ができた
と常々口にしていた.その兄のおかげだといつも感謝していた.

祖母は,戦争中,病院船に乗りたくさんの兵隊の看護を行っていた.
敵味方かかわらず助けていたこと,赤十字の船は攻撃されないんだということを
教えてもらった.
病院船では南十字星を見ることが出来たと言っていた.
戦争が終わると,広島で船を降り,原爆が落ちた広島を歩いたということを教えてくれた.

そして,祖父と出会い結婚し,父を産んだ.
結婚してからも祖母は,看護婦の仕事を続けていた.
祖母は父の弟を帝王切開によって出産するが,父の弟はすぐに亡くなってしまった.
小さい頃,一緒にお風呂に入ったときに,その時の傷跡を見せてくれたのを思い出す.
当時は,よく意味がわからなかった.
祖母も苦しんでいたのだろう.

父が小学校に入学したころ,祖母は肺結核に侵される.
三年ほど入院して,片方の肺を結核ごと潰すことで肺結核を治療したそうだ.
祖母は82才になっても片方の肺だけで,健康な82才の人の130%の呼吸ができていたそうだ.

退院しても祖母は仕事を続けた.
定年退職するまで仕事を続けた.
婦長を務めて退職する.

退職してからは,趣味の世界に没頭する.
ちぎり絵という和紙をちぎって描く絵を好んでいた.
ちぎり絵を習いに月に一回は京都に行くような生活だった.
NHKのホールで個展を開いたこともあった.
葬式の時に,久々に見たが,すばらしい作品だったと思う.
当時は,全然わからなかったけれども,今見ると
祖母の遺した作品は,どれも素晴らしい出来だった.

仕事や趣味に忙しかったので,
家族とどう係わっていったらいいのかわからない,不器用な人だった.
不器用な人だったのでよくオレや妹と喧嘩していた.
それでも,不器用ながらも愛情を注いでくれた.

“おらいの上孫”と言って可愛がってくれた.
帰省する度に“がんばれよ”と言ってくれた.

葬式のとき,思っていることはすべて言えた.
ここには,祖母が生きた証を記したかった.
祖母の人生は,祖母の死は,ぞんざいに扱われるものではなく
素晴らしい生だったのだと,留めておきたかった.

そして,かつて祖母の兄が祖母にしてくれたように
祖母もオレにしてくれたことを胸に刻んで
忘れないためにもここに記す.

誇り高い祖母が,誇れるように
オレも生きる.

ばあちゃん,八十二年間お疲れ様でした.
ゆっくり休んでね.

2008年10月8日水曜日

ノーベル物理学賞 おめでとうって話

めでたいねぇ~.

三十年前の研究が実験で立証されて,それから六年後の受賞って
ことですか.
きっとLHCが稼働したから,それの基盤研究ってことでの受賞なのではないかと
勝手に邪推.
フランスだしねLHC.ノーベル賞はヨーロッパでもらうしね.

なんかますます量子の世界が近づいてるんだなぁと感じられます.
量子を使うことで,きっと近い将来,オレがまだ現役のうちに
とんでもない技術的な革命がおこると思うわけですよ.
バイバイ,ノイマン型コンピュータ.
こんにちは,箱と猫のコンピュータ.
それ相応の準備を進めてないとね.おいてけぼりをくらってしまうので.

研究の道に入って数年のペーペーのおれには,三十年っていう時間は
想像もつかない世界の話です.
まぁ,ぶっちゃけノーベル賞とは言え,
賞がもらいたくて研究してたわけではないだろうしね
どうなんだろ?もらいたかったのかな
本人じゃないからわからないや.

なんにしても素晴らしい.

朝,テレビのインタビューで“日本人として誇らしい”とか言ってる人がいたが
なんか,ムカついた.あんたは何もしてませんから
人の手柄を,同族意識で自分の手柄のように感じて満足してんじゃないよ
と思う.
日本人でノーベル賞もらったからすごいんじゃなくて
その人の研究がすごいからノーベル賞をもらったんですってば.

と書いてて,
一応,日本で研究するっていうことは,大なり小なり
日本人みんなの税金で研究や生活をさせてもらってるわけだから
日本のおかげってことも言えるのか.
と思い直したけれど
“日本人として誇らしい”にはやっぱり同意できません.
少なくとも,その発言をしている人が誇れる要素はほんの少ししかない.
たまたま,日本人として生まれて,その研究に
納めた税金の何万分の一が使われたってことなだけですからね

まぁ,そんな端っこの話はどうでもいいとして

今日の大学の食堂で隣に座った教授らしき人たちの話題は,それが話題だった.
同じくらい端っこの話だけれど…

リアルに近い知合いらしくて,自慢してた.
まだ,生きていたとは知らなかったとか言ってたし.

自分がその人にどれだけ近いかを話してるわけなんだけど
“日本人として誇らしい”とおんなじ程度の嫌悪感を持った.
結局,あなたはその研究にからんでないじゃないか,と.

なんか,有名人の知り合いだよとか
おんなじ県出身だよとか
おんなじ国出身だよとか
そういうのって,なんなんだろうね
むなしくならないのかね.

オレもたまに言っちゃうけど,
結局,後で,自分は何もしてないと再確認して
虚しくなるし,そう言ったことに苛立ちを覚える.

自分のやったことが自慢できるような仕事をしたいなと
そんな風に思うわけです.

あれ?
なんか,本当は基盤研究って大事なんだぜ
もっと保護してくれよ.
利益追求は企業にやらせて
大学とか国立の研究所なんかは
基盤研究やらせてくれよ
このまんまだと,絶対やばいって
ってとかって話にするつもりだったのに
なぜか,いつの間にか,違う主題に…

まぁ,いいや.

オレも頑張って研究します.
もっと本質をつける研究ができるように
研鑽を積まなきゃなと
ノーベル賞受賞の報に接して思いましたとさ.

おしまい.