2009年6月23日火曜日

吉田という奴は

いつも飄々としていて
人を小馬鹿にして,楽しむようなやつだ
ただ,そこに悪意はなく
周りにいる奴みんなを楽しませてくれる

特にKとの掛け合いは最高に面白い.
Kがボケると的確かつするどい突っ込みを入れる.

オレにバンプを勧めてきたのも吉田だった.
なかなかに泣かせる歌の数々が,心に響く.

吉田という奴は
いつも,実現可能ではあるが無茶苦茶な提案をする.
昼休みに隣の県までうなぎを食いに行こうと言いだしたり
“そうだ京都へ行こう”というキャッチフレーズそのままに,京都に行こうと言いだしたり
パソコンが密集しておいてある,F101という部屋でサッカーをやりだしたり

バカみたいなことを一緒にたくさんやった

一緒にたくさん酒も呑んだ

黒霧島が安くてうまいという話を聞いて
オレの部屋で呑んだ
黒霧島一本とウイスキーと変な麦焼酎とビール何本かを
三人で空にした.
みんな,吐いた
“大丈夫だから”といって吐いていたが
何が大丈夫かは分からなかった
オレは部屋に当分の間,帰れなかった.
吉田は,自分のもので汚れまくってた.
朝起きると,吉田がいなくなっていた.
後から聞くと,現実を認めたくなかったらしい.

東野圭吾を読んでいた.
白夜行,借りたままだ.
そう言えば,デルフィニア戦記も同じタイミングで読み始めていたな

酒を飲んだといえば,一緒に“青い店”に行ったな
いいバーだった.
うまい酒を飲んで,くだらない話をよくしていた.

何の話をしていたのか,よく思い出せない.
けど,よく一緒にいて,よく馬鹿なことをやっていた.

友達の吹奏楽団が定期演奏会をするときは
みんなで一番前の席に座ったな
いい音でないのはわかっていたけど,一番目立つ所で見てたな
大学最後の年なんか,電報まで送ったな
あれも吉田が準備したんだ

人の車を当てにして
どっか行ったり,飯を食いに行ったり
メッセでの“はらへったー”が
飯行こうぜっていう,合図だったな

吉田という奴は
一緒にいると本当に楽しい奴で
今もどこかで飄々としていて
人のことを小馬鹿にしながら
周りを楽しませている
そんなイメージしかない

そんなイメージしかない….

吉田のことを
オレの語彙力じゃ語りつくせないし
もっと,色んなことがあったのに
全然
なにも書けない….
吉田とは,楽しい思い出しかない.

結婚式にも来てくれたじゃねーか
まだ,あれから一年もたってねーぞ

居なくなったって聞いて
さんざん心配させて
結局
もう戻ってこないなんて

どうせ,こうやってオレのことをかげから見て
笑ってるんだろ

本借りっぱなしだぞ,どうすんだよ
誰に返せばいいんだよ

ウナギ食いに行こうぜ
どっか行こうぜ

何で,何も言わなかったんだよ



何で,気付けなかったんだ,オレは….
オレには,言ってたじゃないか…
思い出すと,そんな兆候があったじゃないか…
何でおれは,あの時….

たら,れば,もし
言ってもしょうがないけど
何でだ

信じられないし,信じたくもないけれど….


吉田という奴は
確かに,オレのそばにいて
楽しい奴で
いい奴だった.
たくさんの楽しい思い出を残していった.
オレの友達だった.
大学時代に出来た,気のおけない大切な仲間だった.
これからも楽しい思い出を作っていける奴だと思っていた.

最後の瞬間,何を思っていたか,想像も出来ないけれど
分かってやりたかった….

それでも,まだ,どこかにいて
どっかで飄々と笑っている気がしてならない….